開業届とは?メリットデメリットと簡単な作成提出方法を紹介!【遅れて提出の方も大丈夫】

業務委託やフリーランスとして働いている方は、開業届を税務署に提出する必要があることをご存じでしょうか?知っているけど、難しそうだからとためらってしまう方や、そもそも開業届の存在を知らない方もいらっしゃるかもしれません。

そこで今回は開業届について、誰が、いつまでに、どうやって提出すればいいのか?仕事を始めてからだいぶ時間がたっている場合でも提出できるのか?提出することのメリットとデメリットをお伝えしていきたいと思います。

 

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開業届とは?

開業届の概要

開業届は、個人で新しく事業を始めた方が税務署に提出する書類です。開業届を提出することで、確定申告での青色申告が可能になります。

 

開業届の提出期限は、原則、事業を開始してから1か月以内ですが、提出をしなかったり、遅れたりしても、特に罰則はありません。

 

開業届の提出が必要なのは、一時的ではなく継続的に事業所得を得ることが見込まれる場合です。(ほか不動産所得、山林所得がある方も。この記事での説明は省略します)

 

事業所得とは、特定の会社と長期で業務委託契約を結ぶ場合のほか、クラウドワークスなどクラウドソーシングからの収入、ユーチューブやブログの広告収入、ウーバーイーツの配達で得た収入などが当たります。

 

不要品やハンドメイドのものを時々アプリで販売したり、会社員が趣味やお小遣い稼ぎで行う場合は、継続的でなく事業とは言えないため、提出は考えなくてよいです。

 

遅れて提出しても大丈夫?

提出期限は、原則、事業を開始してから1か月以内ですが、もし過ぎてしまっても、いつでも提出は可能です。

仮に年単位で遅れてしまったとしても、実際に仕事を開始した日を開業日として、さかのぼった日付で提出しても問題はありませんし、書類も受け付けてもらえます。

 

ただし、次の確定申告で青色申告をしたい方は、申請期限に注意する必要があります。

青色申告を行うには、「開業届」と「青色申告承認申請書」という書類を、青色申告をしたい年の3月15日までに提出する必要があります。

 

例えば、2023年分の収入を青色申告したい場合は、2023年の3月15日までに、上記の書類を提出する必要があります。

 

3月15日を過ぎてしまうと、青色申告できるのはその次の年からとなり、今年分は白色申告になってしまいますので、提出期限には注意しましょう。

 

開業届を出すメリットとデメリット

開業届を提出すると、どのようなメリット、あるいはデメリットがあるのでしょうか。それぞれ確認していきたいと思います。

 

提出するメリットは?

まず、開業届を提出するメリットは、以下の3つがあります。

 

①確定申告で青色申告が可能になる

確定申告には、「白色申告」と「青色申告」という2つの方法があります。開業届を提出しない場合、自動的に白色申告となります。

 

毎年3月15日の期限までに「開業届」と「青色申告承認申請書」を提出することで青色申告が可能になり、青色申告特別控除という控除を受けることができます。

※提出は一度すればOKです。

 

青色申告特別控除は、申告の仕方によって以下のうち1つが適用されます。

65万円の控除…複式簿記、電子帳簿の保存、e-Taxで提出

55万円の控除…複式簿記、紙での提出

10万円の控除…単式簿記

 

控除とは?
控除額分の収入に対する税金がかからないということ。55万円控除なら55万円の収入に対する税金が免除される。

 

白色申告の場合に適用されるのは、基礎控除(誰もが受けられる控除)の48万円分だけですが、青色申告を利用して要件を満たせば、48万円の控除+最大65万円の控除となるので、白色申告よりも大きな節税効果が期待できます。

 

②赤字の繰り越しができる

青色申告を行うことで、最大3年間、赤字の繰り越しが可能になります。

例えば、1年目に利益が得られず赤字となり、2年目に利益が出たとします。通常であれば、2年目の利益全額に対して税金がかかるところですが、青色申告をすることで、2年目の利益から1年目の赤字分を引いた額が課税の対象となります。

 

事業を始めたばかりで最初は利益がマイナスでも、2年目、3年目で利益が上がれば、そこで得た利益への課税額が少なくなるので、手元に入ってくる収入が多くなり、大きなメリットと言えますす。

 

③屋号での銀行口座開設や法人用のクレジットカードの作成が可能

開業届には「屋号」を記入する欄があり、屋号を使って銀行口座をつくることができます。メリットとしては、取引相手への信頼が高まる、プライベートの口座と区別することで管理しやすくなるということがあげられます。

 

また、法人用のクレジットカードを作ることも可能です。法人用のカードはビジネスに特化したサービスが豊富あること、また、プライベート用と分けて使うことで資金の管理がしやすくなります。

 

提出するデメリットは?

続いて、提出することでのデメリットや注意点を紹介していきます。

 

青色申告には手間がかかる

青色申告をすることで青色申告特別控除が受けられ、節税できることがメリットと述べました。

しかし青色申告複式簿記での記帳が必要だったり、提出するものが増えたりと、白色申告に比べると手間がかかります。

 

ただ、最近は「freee」や「マネーフォワード」といった初心者でも分かりやすい会計ツールも多数あります。

会計ツールは基本的に有料ですが、それ以上に青色申告で受けられる節税の効果は大きいので、フリーランス個人事業主として今後も活動を続けていく方は、会計ツール等も活用しながら、青色申告を行うことをオススメします。

 

もし難しくてどうしてもできない場合や、そこまで収入がなく青色申告するほどではないという方は、開業届の提出後でも白色申告を選択することも可能です。

 

②失業保険が受けられなくなる

会社を退職後に失業保険を受給しようと考えている場合、失業保険受給中に開業届を提出すると失業者とは認められなくなり、受給ができなくなってしまいます。

失業保険を受給したい場合は、受給終了後に事業を開始する必要があります。

 

③扶養から外れる可能性がある

配偶者の扶養に入っている状態で開業届を出した場合、扶養から外れてしまう可能性があります。

配偶者の勤務先の健康保険組合によって要件が異なりますので、事前に確認が必要です。

 

開業届の作成と提出方法は?

ここでは、開業届の作成と提出の方法を3つを紹介していきます。

 

①税務署で記入して提出

税務署で開業届を記入をして提出する方法です。

記入の仕方を職員さんに尋ねながら書くことができるので、書き方が不安な方や家の近くに税務署がある方は、直接出向いてもよいでしょう。

ただし、税務署の開庁時間は平日8時半~17時ですので、平日時間のある方向けとなります。

 

②郵送で提出

国税庁のホームページから開業届や青色申告承認申請書を印刷して記入し、郵送で提出する方法です。

書類は以下からダウンロードできます。

[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁

[手続名]所得税の青色申告承認申請手続|国税庁

 

郵送先は、住所地や事業所地の所管の税務署宛てります。管轄の税務署は、以下から調べることができます。

国税局・税務署を調べる|国税庁

 

 

また、書き方が不安な方は、「freee開業」や「マネーフォワード開業届」といったサービスを利用する方法もあります。

 

利用料はどちらも無料で、手順に従って入力すれば、迷わず簡単に自動で書類を作成することができます。

開業届だけでなく、青色申告をするのに必要な「青色申告承認申請書」など、数種類の書類を自動で作成することができます。

 

郵送の場合、万が一書類に不備があると差し戻しされてしまうので、抜け漏れがないように、このような作成サービスを利用するのがオススメです。

 

下記の記事で、「freee開業」を利用した書類作成~郵送での提出の流れを紹介しています。よければ参考にしてみてください。

 

freelancelife30.hatenablog.com

 

 

e-Taxで提出する(電子申請)

e-Tax(国税電子申告・納税システム)により、インターネット上で提出する方法です。

 

e-Taxを初めて利用する方は、「電子申告等開始届」を最初に提出する必要があります。

また、マイナンバーカードの読み取りを行うため、NFC機能付きのスマホか、PCの場合は、ICカードリーダーライターが必要となります。

 

PCで提出する場合は、e-Taxのページで書類を作成し、そのまま提出することができます。

スマホで提出する場合、現状、スマホ版のe-Taxページでは開業届の申請ができないため、「freee開業」を経由して提出するのが唯一の方法となっています。

 

スマホでの提出をお考えの方は、「freee開業」で書類作成をしていくと丁寧な説明がありますので、迷うことなく提出まで行うことができるかと思います。

 

上に載せた過去記事には「freee開業」の登録~作成までの流れを詳しく紹介していますので、あわせて参考にしてみてくださいね。

 

まとめ

今回は、開業届とは何か、提出するメリット・デメリット、提出の方法をお伝えしてきました。これから作成する方の参考になりましたら幸いです。